福木求め100人熱気 倉吉・長谷寺「牛玉授け」

 

 奈良時代の創建と伝えられる鳥取県倉吉市仲ノ町の古寺、長谷寺(奥野秀應住職)で15日深夜、恒例の「牛玉(ごおう)授け」が行われた。五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛など、生涯にわたってあらゆる幸福をもたらすとされる「福木」を求め、善男善女が宵闇の中で熱い争奪戦を繰り広げた。

 年1回、この時期に開帳される本尊「十一面観音菩薩(ぼさつ)座像」の魂を福木に移す法要の後、奥野住職らが5メートル近くある本殿の梁(はり)の上から「ごおーぅ」というかけ声とともに12本の福木を投下。約100人の参拝者が福をつかみ取ろうと、一斉に手を伸ばした。つかみ損ねた福木が床に転がると競い合うように拾うなどし、本殿は熱気に包まれた。

 最も御利益があるとされる12本目の福木「乙(おと)」の投下は消灯して行われ、会場の盛り上がりは最高潮に。見事手にした北栄町国坂の団体職員、山本空さん(24)は「座っているところに転がってきてラッキーだった。家族が幸せで平穏に暮らすことができれば」と家内安全を願った。

 16日は、同寺のふもとの同市西町から東仲町にかけての本町通りを歩行者天国にした「観音市」があり、大勢の人出でにぎわった。

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