潮騒 2023.5.23

 「春の全国交通安全運動」の期間中、大阪市内で交通安全イベントを取材した。出演した大阪府警の教育班が名調子で寸劇を披露すると、子どものみならず保護者たちも分かりやすい説明にうなずいていた◆とりわけ繰り返し注意を促したのは、身近な自転車の安全利用について。4月から全年齢の自転車利用者のヘルメット着用が義務化されたこともあり、正しい着用法も含めて事故防止に向けたアドバイスがあった◆努力義務化以前から自発的にヘルメットをかぶっている、ある町会長さんを取材した。当時は転倒した際に大事に至らなかったエピソードも交えつつ、なかなかヘルメットが普及しない状況を憂いていたが、いまやそこかしこで着用者を目にするようになった◆目立つカラーリングや模様を施したヘルメットのほか、後頭部にライト装備、携行しやすいように折り畳み可能なモデルなど個性あふれる製品も登場。ある店では“マイ・ファースト・ヘルメット”なのか、かぶった姿を鏡に映し、うれしそうに品定めする人を見かけた◆急な需要の高まりで、たちまち品不足となった経緯はコロナ禍初期のマスクを思い出す。マスク同様、ファッション要素を含みながらでも、普及のきっかけとなればありがたい。(佐)

同じカテゴリーの記事