ミニマリストとは、必要最低限の道具で生活する人のことだ。例えば服は数着しか持たず、食器も1組ずつ、読み終わった本はすぐに売る。ミニマリストの部屋は家具も少なく、とてもすっきりとしていて余白が多い。心地いい空間になるだけでなく、節約にもなるし家事も減るなどメリットがたくさんあるとして、10年ほど前からこのようなライフスタイルが流行している。
私もエッセイストとして『ふやすミニマリスト』(かんき出版、幻冬舎文庫)という本を出しているため、周囲からミニマリストだと思われることがある。しかし、私はミニマリストになることをあきらめた。
『ふやすミニマリスト』は、生活にまつわる実験的なチャレンジを記録した本だ。家具も道具も何もない部屋を用意し、そこで100日間暮らしてみる。1日一つだけ道具を取り出せるというルールで、100日間で最大100個の道具を持つことができる。
このシステムは、『365日のシンプルライフ』というフィンランドのドキュメンタリー映画を参考にしている。新型コロナウイルス流行初期の2020年、外出や旅行が難しくなった時期に、家でできる冒険をしてみたくて挑戦した。
1日目に取り出した...