【中国の要素】
江戸絵画での「黒」の魅力に迫る展覧会「エド・イン・ブラック」が東京都板橋区の同区立美術館で開かれている。4月13日まで。
黒は、江戸時代に絵画表現が広がり、多様に用いられるようになった。伊藤若冲の「玄圃瑤華」は、背景を黒く塗り文字や絵を白抜きにした作品。手本となる筆跡を拓本にした中国の「法帖」を思わせ、江戸の人々の憧れであった中国の要素が詰め込まれているという。
浮世絵の中には、人間ではない存在を黒で表すことも。鳥文斎栄之の「三福神吉原通い図巻」では、女性と一緒にいる仙人が墨で描かれた。黒の幅広い表現を伝える計約70点を展示する。
月曜休館。一般650円など。問い合わせは同館、電話03(3979)3251。