在阪の放送局主催の若手賞盗(と)りレースで、最も歴史がある「第53回NHK上方漫才コンテスト」が6月9日夜7時半から、大阪市中央区のNHK大阪ホールで実施され関西地域へ生放送される。
今年3月時点で、コンビ・グループ結成10年以内が対象。漫才、コント、独り芸を問わず上方笑芸界の将来有望な若手発掘と育成を目指し、併せてNHK大阪放送局制作の演芸番組充実を図ることを目的に休まず開催され続けた。昨年は「天才ピアニスト」が女性コンビとして36年ぶり優勝、その年末の女芸人№1決定戦「THE―W」も制し一気に全国区へとブレークした。
出場8組で、両ブロックからそれぞれ1組が勝ち残り、決勝ラウンドで2つ目の別ネタを披露。勝った方が優勝の最優秀賞、敗れた方は準優勝の優秀賞となる。この方式になり14年目で、全て吉本興業所属タレントが優勝。今年の出場8組も全て同社芸人が占めた。
組み合わせ抽選の結果出演順に、Aブロックは▽漫才とコントで最若手の「マーメード」(結成3年目・初出場)「出場中で最も経験がなく、誰も知らん僕らが1組目は絶対無理です」▽脱力系女性漫才の「ハイツ友の会」(5年目・2年連続2回目)「勝てたらいいな、茶柱立ったらいいな」▽他局でレギュラー番組も始まり上り調子の「フースーヤ」(8年目・初出場)「マイク持つとつい歌いたくなる」▽天才ピアニストをしのぐ人気で注目の女性コンビ「爛々(らんらん)」(7年目、2年ぶり2回目)「お祭りしましょ、いや皆を血祭りにします」。
Bブロックは▽出場コンビ中、本選最多出場で準優勝も経験した「丸亀じゃんご」(10年目・2年ぶり3回目)「実力派漫才の肩書はもういらない。受賞漫才の肩書がほしい」▽ギャグ漫才の「パーティーパーティー」(9年目・3年ぶり2回目)「東京のコンテスト含め決勝進出3回目なので、3度目の正直を」▽コントと漫才の「大自然」(9年目・初出場)「東京から戻って久しぶりの大阪でのコンテスト。頑張るしかない」▽コントがメインの「スナフキンズ」(7年目・初出場)「僕ら一番イケてないコンビ、トリなんで名前だけでも覚えて帰って下さい」。
司会は千原兄弟(千原せいじ、千原ジュニア)。会場の同ホールはコロナ規制が軽減され、約1400席すべてを4年ぶり解放予定。「爛々」萌々(もも)は「女子ども、いや女性とお子ちゃまをはじめさまざまな層のお客さんに見て頂き評価される。まるで(なんばグランド花月の昼間)本公演に、いきなり出て行くようなものでウケるのはかなり大変…」と緊張気味。担当の是洞(これと)茂樹チーフプロデューサーは「コロナ禍の間、無観客や半減以下にし本選実施してきた。満員の会場での熱気や反応が審査にどう影響するか楽しみ」と変化を期待した。