鳥取市伏野の白兎海岸沿いにアトリエを構える日本画家、綾木いづみさんの個展「繭絲(いと)のコスモロジー」がJR鳥取駅前の丸由百貨店で開かれている。30日まで。
鳥取市での個展は6年ぶり。北欧文化の一つで魂の循環や永遠性を表す「ケルト文様」をテーマに、繭や動物を題材にした作品など27点が展示されている。
個展の表題作品は、鮮やかな青・赤・緑・だいだい色を背景に四つの繭を描く。生命を宿した複数の繭玉が出合い、より大きな宇宙のエネルギーを生み出していく様子が表現されている。絵の具を何度も重ね塗りして高さを作る「盛り上げ技法」を駆使し、立体感のある作品に仕上げた。
中世の欧州やギリシャなど、西洋の文化を日本画で描いた作品や、植物画や着物姿の美人画も並ぶ。
「作品の両面性を楽しんでもらえたら」と綾木さん。「伝統的な技法と画材を使って描いている。エネルギッシュでアバンギャルド(前衛的)な日本画の魅力を発信していきたい」と話した。
27日午後2時からギャラリートークがある。