ダイナミックに“大人の女”表現 塩乃華織が新曲「白夜行」

 天王寺・阿部野橋ターミナル界隈(かいわい)の出身で生粋の浪速っ子演歌歌手、塩乃華織が新曲「白夜行」を出した。前作「命さらしても」に続く、女性の情念の世界を描いたダイナミックな仕上がり。6月でプロ歌手になって満14年、今作でシングルCDは区切りの10作目。ジワリと“大人の女”が表現できるようになった近況を聞いた。

 5月に大阪府警曾根崎署で交通ルールを呼びかける1日署長を務めた。梅田の玄関口を担当する同署は府警№1の格式を持ち、府警音楽隊やカラーガード隊も練習場として用いる顔的存在。「お話を頂いて驚きました。ご一緒した府警の皆さんが格好良くて、同じ音楽を志す者として大いに刺激を受けました」と感激。彼女の知名度が上がってきた証明でもあった。

 新曲は低い音程の3連符から入るから難しい。しかも出だしの詞が「♪風にまかれ折れた花を まだたたく 真夜中の雨」という情景描写。彼女自身が「衝撃を受けた」と感じたシーンを思い浮かべながら、一気に曲の世界観に観客を引きずり込む強い心と歌声がフルに生かされる展開。中盤からはダイナミックに押し上げていく内容で歌唱力成長がはっきり見て取れる。「元々、高音部は割と出やすいんです。最初は不安だったんですが挑戦してよかったです」と仕上がりに手応えを感じている。

 カップリングの「居酒屋 酒の縁(えん)」も曲調として似ていて珍しい組み合わせ。「どっちがA面かちょっと迷ったんです。この曲を気に入って下さるファンも多い」とうれしい反応だ。

 大阪市内で生まれ育ってずっと住んでいる。「“東京行かへんの?”とよく聞かれますが、仕事を済ませて新幹線などで帰って来る時のホッとする感じが好き。今はドンドン交通網が便利になって、全国各地でイベントも増えていますから」と離れる気はない。

 コロナ禍で時間ができて始めたユーチューブによる情報発信は、週3回更新を目標にようやく1年が経過。「独りしゃべりも慣れてはきたけど、やっぱりお客さまの前で目と目を合わせながら歌わせて頂く。そのうれしさ楽しさに勝る物はどこにもありません」ときっぱり語った。

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