3年に1度「大阪国際室内楽コン」 情熱的な演奏で魅了

 3年に1度の室内楽の国際大会「大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」(日本室内楽振興財団主催)が終了した。世界34の国から161団体の応募があり、予備審査を経た33団体が出場。高レベルな戦いの末、イタリア、ドイツ、モンゴルの団体が各部門で優勝した。

 若い奏者で編成するアンサンブルを対象としたコンクール部門に加え、楽器や年齢不問で2~6人編成の器楽アンサンブルによるフェスタ部門も同時に行っているユニークな室内楽コンクール。今回は2020年に開催予定だった第10回のコンセプトを継承して新たに参加団体を募集し、5月12~18日に大阪市中央区の住友生命いずみホールなどで行った。

 コンクール第1部門「弦楽四重奏」には10団体、第2部門「ピアノ三重奏」「ピアノ四重奏」には11団体、フェスタ部門には12団体が出場。コンクールは堤剛審査委員長をはじめ世界各国から招聘(しょうへい)した審査員や過去の優勝団体のメンバーが、フェスタは呉信一審査員長や一般審査員が審査にあたった。

 各部門で第1位に輝いたのは、コンクール第1部門=クァルテット・インダコ(イタリア)▽同第2部門=カピバラ・ピアノ・クァルテット(ドイツ)▽フェスタ部門=テンゲル・アヤルグー(モンゴル)。記者会見に臨んだ各団は一様に国際大会に挑戦できたことを喜び、事務局の受け入れ態勢や聴衆の温かさに対し感謝の思いを口にした。

 堤コンクール審査委員長は「非常に水準が高く、若さって、室内楽って、音楽って素晴らしいなと強く感じた。音楽にかける情熱や愛が演奏に現れていて心が動かされた」と絶賛。かつての受賞団体のメンバーで副審査委員長を務めたモニカ・ヘンシェルさんは「これからも社会の中で強く存在し続けて、美しいものを届けていってほしい」と期待した。

 各団には賞金のほか、今秋から再来年にかけて予定されるグランプリコンサートのステージも用意される。

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