地道な努力に多く支援を 聴覚障害者ラグビー 落合さん受賞 大阪スポーツマンクラブ賞

 大阪スポーツマンクラブ(本部・大阪市)が地域のスポーツ振興に貢献した団体や個人に贈る「第12回大阪スポーツマンクラブ賞」の授賞式が大阪市内で開かれた例会で行われた。今年は個人の部でNPO法人「日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟」の落合孝幸副理事長(47)が受賞。玉置通夫会長から賞状と盾が伝達された。団体の部は該当者がなかった。

 落合さんは生まれた時から耳が聞こえず、さらに小児ぜんそくで苦しんだ事から小学5年でラグビーを始めた。高校卒業まで健常者に交じってラグビーに没頭。大学卒業後、設計技師として入社した三機工業関西支社で聴覚障害者を対象としたデフラグビーと出合った。めきめき上達した落合さんは日本代表チームの主将や監督を歴任。4月に南米アルゼンチンで行われた第2回世界デフラグビー7人制選手権には、監督として参加した。7人ギリギリと選手不足に加えて資金難でのピンチも、同社をはじめとする協賛企業の支援もあり克服。3日間で6試合の過密日程ながら全日程を無事消化し、出場8カ国中7位の成績を残した。

 落合さんは「五輪やパラリンピックは認知度も高く支援も得やすいが、聴覚障害者はパラではなくデフリンピックという別の大会がある。しかしデフラグビーはその参加種目にも入っていないので、独自にW杯を4年ごとに開いて世界で交流している。コロナ禍後は航空運賃やホテル代高騰で海外遠征が難しくなったが、日本ラグビー協会や協賛企業の支援のおかげで大会参加でき、全選手が無事に帰国できたことが何より」と謝辞を述べた。

 玉置会長は「近年は五輪だけでなくパラも注目度が増しているが、こうして日の当たらないところで地道に努力している障害者スポーツ競技があることを多くの方に知って頂きたかった」と話している。

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