潮騒 2023.6.6

 梅雨に入りスイレンやショウブなど水辺の植物が一層映える時季となった。日によっては梅雨であることを忘れるほどさわやかな晴天もあるが、2日に全国各地で台風2号などの影響による被害が相次ぎ、警戒や備えの必要性を再認識した◆同日の大阪市内では床下浸水や家屋の一部破損、道路冠水、停電がわずかに確認された。筆者の周辺ではなかなか分かりづらかったが、水防訓練の取材でたびたび訪れる大和川が増水した画像に驚き、危険な雨量であることを実感した◆海や河川に囲まれた“水都・大阪”は幾度も風水害に悩まされた歴史がある。過去の教訓から各時代の技術を駆使した壮大な治水事業も施されてきたが、市域が低地にあることによる水害への弱点は変わらない◆各区役所には「水害ハザードマップ」が置かれ、河川の氾濫や高潮、南海トラフ巨大地震による津波被害など想定別に分かりやすく表示。思わぬ被害想定を知ることで避難行動など対策の一助となっている◆一昨日の日曜日、ベスト姿の人に誘導されて移動する一行に遭遇、一目で地元町会の避難訓練と分かった。コロナ禍で中断していた地域自主防災活動が復活した光景に思わずほっとした。あとは避難するような事態が起こらぬことを祈りたい。(佐)

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