生きざま感じる145件 「織田有楽斎」特別展

 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えた武将で、文化人としても知られる織田有楽斎(うらくさい)(1547~1621年)の400年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」が京都市中京区の京都文化博物館で開かれている。有楽斎直筆の書状や茶道具、肖像画など145件を展示している。6月25日まで。

 有楽斎は信長の弟として生まれ、武将として活躍。晩年に自ら再興、隠せいした建仁寺の塔頭(たっちゅう)である「正伝院」は、近代化の中で寺名を「正伝永源院」(同市東山区)と改め、現在も有楽斎ゆかりの文化財を多く残す。

 特別展は、400年遠忌にあたり同院の文化財を再度調査し企画。有楽斎の交友関係が分かる書状や歴史資料などを通して、本能寺の変を生き延びた「逃げた男」のイメージが正しい評価なのかを問う。

 会場では実際に所有した品として、国宝「短刀 無銘 貞宗(名物寺沢貞宗)」(14世紀)を展示。「大井戸茶碗 有楽井戸」(16世紀)や「唐物茄子茶入 銘宗伍茄子」(12~13世紀)などの茶道具も並び、茶の湯を介して大名や町衆と交わりを深めた“大名茶人”としての美意識を紹介している。

 同院の真神啓仁住職は「正確な功績や人となり、逃げの有楽と言われながらも巧みにそれをいなし戦国の世を生きぬいた生きざまを感じ取ってほしい」と話した。

 午前10時~午後6時(金曜は同7時半まで)、入場は閉室30分前まで。月曜休館。一般1600円、高大生千円、小中学生500円。

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