師匠と掛け合い浪曲 8月に京山幸太独演会

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 昨年度文化庁芸術祭で大衆部門新人賞を受けた上方浪曲界のホープ、京山幸太(29)が入門10周年記念となる「第3回独演会」を8月5日夜、大阪・日本橋の国立文楽劇場小ホールで開く。

 得意の古典浪曲2席をはじめ、この会のために書き下ろした入門からの足跡を振り返る最初で最後の「師弟掛け合い浪曲」を、師匠京山幸枝若を特別ゲストに口演する。

 別名・浪花節と呼ばれる浪曲は、講談や落語と同じ独りのしゃべり芸。掛け合い浪曲は、芝居のように2人でせりふ回しや節をうなって繰り広げるやり方で、普段の舞台ではまず上演されることがない形式。関西外大の学生だった幸太がふとしたきっかけで浪曲と出会い、学生との2足のわらじで入門するいきさつをはじめ、学校を卒業し本格的にプロとして挑戦する日々の思い出、芸術祭へと向かうエピソードなどを、ストーリー仕立てにした「京山幸太物語」の物語。師匠・幸枝若は本人役だけでなく、さまざまな人物を演じ幸太本人と掛け合う。1人だけでは口演できない展開を工夫して構成、それ自体が珍しく一見の価値がありそう。

 三味線曲師は一風亭初月、前座に落語家・笑福亭呂翔が出演。司会には、妹弟子・京山幸乃が登場する豪華な顔ぶれ。

 幸太は、上方伝統芸能の若手後継者が横断型で組む交流グループ「霜(そう)乃会」で、能や文楽、講談、落語などの演者と絡んで、さまざまな表現方法や演目を学ぶ活動を地道に続けている。「前回の『第2回独演会』が芸術祭新人賞を頂いたので、それ以上の内容がある会に仕上げたい。浪曲好きな方はもちろん、初めて見聞きする方も含め、その魅力を分かりやすくお届けします」と意気込んでいる。

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