東海地区以西の団体と個人の王座を決める「第97回西日本学生相撲選手権」は4日、コロナ禍の規制も終わり、声出しOKとなって昨年を上回る13校89選手が参加し、堺市の市営大浜公園相撲場で開催された。1部6校と2部優勝校による5人制団体戦は、全国大学選抜宇和島大会優勝の近畿大が、充実した4年生レギュラーの三段カルテット、三田大生、北野泰聖、山崎勝磨、本庄優介のうち、北野を故障で欠いたがチームワークでカバー。金沢学院大と全勝対決した7回戦を4―1で制し、6年連続43度目のVを完全優勝で飾った。
西日本勢は、今年は2位までしか11月の全国学生選手権で団体Aクラス出場できないが、その権利を得た準優勝チームはやはり宇和島大会で団体3位に入った金沢学院大。3位には急速に力を付けている朝日大が成長ぶりを見せつけ3年ぶり入賞。4~6位は勝ち点2で並んだ九州情報大、2部優勝し1季で1部復帰を決めた愛知学院大、昨年44年ぶりに1部昇格した関西大がポイント差で競り合い。九州情報大と愛知学院大は順位決定戦で九州情報大が上位に決定。こうした競り合いに弾き飛ばされた格好だったのが昨年3位の伝統校・同志社大。創部120年近く、今年101回目の全国大会には初回から唯一連続出場、西日本大会では第1回から唯一1部で連続出場し続けてきたが、今年は勝ち点0でなすすべがなかった。
2部は愛知学院大が5年ぶり9度目の優勝、連戦となる1部リーグ戦に加わっても後の個人戦で2部優勝した主将の和田優貴三段(4年・箕島)が突き押し相撲に徹してチームを引っ張り、1回戦で同志社大に競り勝って勝ち点をもぎ取り一気に波に乗った。
個人戦は、1部は金沢学院大勢が大逆襲し、8強が出そろった時点で5選手が進出。近大は2人だけで、しかも団体戦優勝メンバーは個人戦連覇を狙う三田三段のみ。結局、4強は金沢学院大が独占。近大・三田は準々決勝で敗れ、連覇はならなかった。
近大・阿部智志監督は「今年は4年生で固め、団体戦のチームワークが良い。その分個人戦は『勝たないと』と皆の相撲が消極的になった。三田の立ち合い変化などがその現れ。個々の選手を見ると金沢学院大は強い」と分析した。