地域で88カ所巡りを きょう清元院で法要 風習復活「お大師講」

 四国、小豆島88カ所巡りが地域にいながら1日でできる―。琴浦町宮木の曹洞宗「清元院」(井上英之住職)で17日、地域の各家庭にある「お大師さん」(弘法大師)を一堂に集めた「お大師講」が開かれる。104年前の大正時代に始まった風習の形を変えて7年前に復活させたもので、家門繁栄などを願う法要を営む。

 お大師講は、定期的に堂に集まったり、地域住民が金を出し合って順番に四国や小豆島に巡礼に行くなど、各地域でさまざまな形で行われてきた。

 井上住職が盆の棚経などで各戸を訪問すると、同じ像を見かけたり、何の像かと檀家(だんか)に尋ねられたりすることが多々あり、調べたところ、「以西村新四国八十八番」の札を発見し、そこからひもといていったと話す。

 調査の結果、同町以西地区では1919年ごろ、四国や小豆島に行かずとも、88カ所の巡礼ができるよう88体の大師像を迎えた。6月21日をお大師講の日とし、像を迎えた家では像を縁側に飾り、お参りに来た人を茶菓子などで接待し、多くの人が拝んで回っていた風習があったことが分かった。風習が途切れた時期は不明だという。

 弘法大師は真言宗で、同寺とは宗派が違うが、井上住職は「地域の風習を掘り起こし、次世代につないでいくことが大事」と、各家庭から像を同寺に持ち寄ってもらい、2016年にお大師講を復活させた。

 15日に像を持ってきた同町国実の川上恵美子さん(70)は「嫁いできたとき、夫の祖母から(この像を)大事にするように言われてきた。私は四国や小豆島に行ったことがなく、こうやってお参りできるのはありがたい」と喜ぶ。

 井上住職は「88体全てはそろわないが、四国や小豆島の88カ所巡りと同じ功徳がある。地域外の人も来てほしい」と話す。

 お大師講の法要は午前10時10分から、その後マジックショーや茶話会がある。参加無料。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事