「喜楽館」が5周年記念公演 7月10日から1週間

 神戸・新開地の定席寄席「喜楽館」が開場5周年となる7月10日から1週間の記念特別公演の概要を、同月から支配人となる伊藤文隆ABCアナと上方落語協会の笑福亭仁智会長が説明した。

 口上に代わって、中入り後には伊藤支配人が司会して「未来鼎談(ていだん)」と題して、メインの出演者が交代で寄席への思いを語る。10日=仁智・米団治▽11日=文枝▽12日=福団治▽13日=福笑・松喬▽14日=銀瓶・吉弥▽15日=八方・八光▽16日=鶴瓶と豪華な顔ぶれ。

 喜楽館は、1970年代に実演劇場がなくなった歓楽地の新開地にかつての活気を呼び戻そうと、2018年7月に公設民営の形で開館。出演者については上方落語協会の責任で派遣し、昼間の定席と夜間の特別興行を行ってきた。

 仁智会長は「開館間もなくコロナに襲われ大変苦しんだ。その間、ずっと支配人不在、スタッフも不足して皆で助け合ってこのたび5周年を迎えられた。これからは大阪の天満天神繁昌亭が長男とすれば、喜楽館は次男坊として違う色合いを出し頑張ってもらいたい。そうすれば、次は京都に定席館、という話しも自然に出てくるでしょう」と期待。

 4月から見習いとなり、7月の特別興行から正式に同館初の支配人に就任する伊藤アナは「まず賞レースを意識した“喜楽館アワード”を作りたい。お客さん参加型で、この5周年公演で要項を発表する」と意欲十分。昼席公演内容についても「繁昌亭は10本、喜楽館は7本。こちらの内容が薄い訳ではなく、落語本来の面白さをお客さんに感じてもらうために、1人の演者の持ち時間を少し長く取って構成している。寄席としての特徴をもっと前面に打ち出していきたい」と上方落語への深い造詣を示した。

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