五島列島舞台にほんわり爽やか 演歌歌手・石原詢子 35周年で新曲

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 演歌歌手、石原詢子がデビュー35周年曲として、シングル盤CDとしては自身初の作詞・作曲をした「五島椿(ごとうつばき)」が好評だ。長崎・五島列島を舞台に、彼女の真骨頂でもある心弾むほんわり爽やかしあわせ演歌。この曲が縁で「五島市ふるさと大使」(福江島など列島南西部)「新上五島町観光物産大使」(中通島など列島中央部)にも就任。頻繁に列島を訪れ交流を楽しんでいる。思いを聞いた。

 石原は岐阜県西部の池田町出身。「海無し県で生まれ育ったので、幼い頃から漠然と浜辺や島々の景色に憧れが…。35周年で“曲を自分で書いてみませんか?”とお話を頂き、パァッと20年前にお仕事で訪れた五島列島のすてきな景色が頭に浮かんだ。すぐ福江島を訪れ、島内各地を見て回り、島の特産のつばき油を手に取って、ここで生まれ育った女性の気持ちになって詞を書き上げました。作曲はまず鼻歌でフレーズを決めて、お友達にピアノで弾いて譜面におこしてもらって…。隠れキリシタンの地でもあるので異国情緒を加えたくて、編曲の若草恵先生にポルトガルギターをアレンジに加えていただきました」と思い出すのも楽しそう。

 ミュージックビデオも自身でアイデアを出しながら、風光明媚(めいび)な島々をドローンで撮影。強風の鬼岳で歌い、実際に大瀬崎灯台をスケッチし、ステンドグラスのキーホルダーを手作りして映像に盛り込んだ。

 衣装は大正ロマンをイメージした縦縞(たてじま)の着物。帯や帯揚げなどにはツバキがデザインされている。「実はかんざしもツバキなんですよ。今、新曲にちなんでツバキの雑貨も集めています」と曲同様に爽やかに。

 悩みは度重なる五島列島訪問をはじめ新曲キャンペーンで東京を離れる機会が増え、家族である3匹の子猫たちと会えない日が増えたこと。「泊まりがけの時は妹が来て見てくれているんですが、気になって暇さえあれば取り付けたカメラをスマホで見てます」と保護者の表情に。

 石原のもう一つの顔は、詩吟の家元。亡き父が創設した詩吟揖水流を再興した「揖水流詢風会」だ。50歳になったのを機に2018年に立ち上げ、大阪入りした際はお弟子さんの指導や昇段審査も寸暇を惜しんで行う。「私の歌のファンの方も多いんですけど、皆さん真面目に頑張ってくださっています」と忙しい日々を楽しんでいる。

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