観客ハート わしづかみ 演歌歌手 岡本幸太が新曲披露

 男性演歌の世界では“第7世代”と呼ばれる20代前半歌手の台頭によるせめぎ合いが激しい。そんな顔ぶれと一線を画す、いわば“オールド・ルーキー”が岡本幸太(35)だ。6月の「KOBE流行歌ライブ」では、新人対象の“推薦曲コーナー”登場。3曲だけだったが、彼を初めて見聞きした観客のハートをわしづかみにした。その素顔に迫った。

 司会者を置かない形式の舞台にいきなり立って、「2016年に日本大衆音楽祭で内閣総理大臣賞をいただきました」と自己紹介。“歌の国体”と呼ばれる大きなイベントで、同じ年のヤング部門理事長賞を受けたのが、第7世代の一人として活躍する一条貫太だ。

 4月に初CDとして発売した「あなたに哀愁」と「たそがれシネマ」を歌った。今のところオリジナルはこの2曲しかないから、この日を含めキャンペーンなどでは中島みゆき「化粧」や沢田研二「勝手にしやがれ」を選んで歌う。そして最後に「オリジナル曲だけでステージが務まるように頑張ります」と結ぶと、歌のうまさに聞きほれていた観客が、ハッと我に帰って盛大な拍手を送った。

 歌手を目指して20歳で広島市から上京。カラオケのガイドボーカルやアニメソングなどを歌って歌の世界で長く生きてきたが「どうしてもソロ歌手として演歌歌謡曲で勝負したい」とデビューにこぎ着け。親交のあった売れっ子作詞家・たきのえいじ、作曲家・向井浩二らが結集。初ステージでは先生から「幸太は絶対にいいヤツ。頑張り屋だから…」と直接エールを送られ感激した。

 同じ音楽事務所に良いお手本がいる。30歳直前にようやくプロデビューが決まり、今や“令和の歌謡歌姫(ディーバ)”として人気急上昇の同い年・藤井香愛(かあい)だ。同じガイドボーカルから表舞台へと飛び出した経歴だけに「ご自身のカラーをしっかり持たれ、経験に裏付けされた実演ステージが素晴らしい。とても勉強になります」とあこがれの存在。

 「藤井先輩はカワウソ好き、僕は猫好きで話しが合います。関西のファンの方の温かさは、うかがっていた通り。いずれ先輩と一緒にライブを開きたい」と夢を語った。

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