国立千葉大法経学部出身の高学歴上方落語家、桂恩狸(おんり)(34)が師匠・文福の「福」と大師匠・五代目文枝の「枝」を合わせた福枝に改名することになり、10月1日に大阪・天満天神繁昌亭で改名披露落語会「オンリーワンで社会ふくし!」を開く。
上方落語では「ふく枝」など同じ読み方の噺家(はなしか)は過去2人いたが、福枝は初。恩狸は「入門10年の節目で、師匠に相談したところ、福枝の名前を示して頂いた。大変由緒ある文字の組み合わせで、私が名前を大きくして行く責任を感じる。また福祉にも通じるので、高齢者施設への慰問などにも一層力を入れたい」と抱負。
文福は「同じ桂で上方には福団治師匠が居られ、お弟子さんに『福』の字をよく使っておられるので僕はずっと分福茶釜に由来した名前を弟子に付けてきた。2番弟子のちゃん好が伝統ある『文鹿』の名を復活させてくれたので、恩狸にも『ふくし』と名乗らせる事で、福団治師匠はじめ関係先にもご了解が頂けた」と説明。恩狸について文福は「真面目過ぎるぐらい真面目。僕らの頃とは時代が違うのでむちゃは出来ないが、もっと遊んでいい」と異例の注文。
大学時代から上方落語1本で学んできた恩狸は「当日はまず開口一番で恩狸として最後の高座を務める。そして師匠方の高座と口上を頂いた後、福枝としての第一歩をトリで務める。大師匠や師匠が掛けられている古典ネタに挑戦したい」と意欲十分。また福祉活動に付いては「私の故郷の香川をはじめ、四国・九州方面で普段なかなか施設への慰問が出来ない。営業などで1泊できる時に、翌朝に施設慰問などを積極的に行っていく」と抱負を語った。