「茶のこころを世界へ」をモットーに、ヨットでさすらい旅を続ける茶人で冒険家の男性が、茨木市の追手門学院大へ茶室付きのワゴン車で乗り入れ、学生や地域住民らにお茶を振る舞った。「地域とつながる機会に」という同大の招きに応じたもので、男性は「出会いを大切にしたい」と一服に心を込めた。
席主は、「宗水」と号する裏千家の茶人、長谷川秀明さん(68)=長崎県平戸市。2018年から新型コロナウイルス禍で休止するまで計3690キロを航海し、140の寄港先で茶会や茶道教室を催す全国キャラバンをライフワークにしてきた。現在は茶室付きヨットによる世界一周の計画を立て、事前活動としてワゴン車による全国行脚を続けている。
19日は、総持寺キャンパスのメインゲート前にワゴン車を出張。和装の長谷川さんは自作の茶道具を用いてお点前を披露し、茶道部学生による給仕のサポートも得ながら客人らと和やかに語らった。
日本文化を学ぶ米国の留学生クロエ・ビンガムさん(21)は「お茶はストロング(濃い)。作法は初めてだったけど、気に入りました」と喜んでいた。
海外渡航に向け、米クラウドファンディングサイトを通じて資金を募る。長谷川さんは「一碗(ひとわん)でにっこりしてもらえるのがお茶の良いところ。そこで希望が生まれる。和の心を発信し、安らぎを感じてもらいたい」と展望していた。