7月20日は「中小企業の日」。中小企業庁が2019年に制定し、7月の1カ月間は「中小企業魅力発信月間」と定めている。背景には、中小企業家同友会が2010年に中小企業の社会的・経済的役割を正当に評価する指針となる「中小企業憲章」の草案を発表して同憲章の閣議決定につなげたことや、全国の自治体に「中小企業振興基本条例」制定を促す運動を展開してきたことなど、長年の「中小企業の魅力を知ってもらう」ための取り組みがある。「中小企業の日」の周知を図る大阪府中小企業家同友会の活動や専門家の意見を紹介する。
大阪府中小企業家同友会は7月12日、大阪市北区の大阪市中央公会堂で「第4回大阪わかそう2023」を開く。大阪府・大阪市の共催、日本国際博覧会協会の後援で、企業展とフォーラムを開催。25年大阪・関西万博のテーマ「命輝く未来社会のデザイン」を担う中小企業の姿を、多くの市民に体感してもらう。
企業展では、体験型、物販、飲食など多様な業種の中小企業約90社が経営理念やコンセプトを掲げて出展する。大学生や高校生を含む学校関係者へも参加を呼びかけており、展示だけでなく、経営者と直接質疑してもらう機会を提供し、参加者の将来の展望を広げる学びの場となることを目指す。
フォーラムは3部構成。基調講演のテーマは「誰もが輝ける未来に向けた地域共創社会の実現」で、南海電鉄の川田均シニアアドバイザーを講師に迎える。
会員企業報告では、高洋商会の山川耕平社長が「事業承継」、西岡化建の西岡洋子専務が「女性経営者、環境」、リブランドの福家(ふけ)孝社長が「地域交流」について語る。
講演では、NHK大阪放送局の熊野律時チーフ・プロデューサーが「朝ドラ『舞いあがれ!』が描いた中小企業の過去から未来」を、協会の吉田博史地域連携課長が「2025年日本国際博覧会の概要」をテーマに話す。
実行委員長を務める「SARABiO温泉微生物研究所」(大阪市)の野越成一郎執行役員は「中小企業の魅力を感じてほしい。自分の生活している場所にどういう企業があるのか知ってもらい、自分の将来につなげてもらえれば」と来館を呼びかけている。
企業展は午前10時~午後6時。フォーラムは午前11時~午後3時40分。入場無料。問い合わせは電話06(6944)1251、大阪府中小企業家同友会。