日本舞踊の伝統を後世に語り継ぐ活動を続けている、花柳與桂(よか)師匠らが中心となり結成した「要(かなめ)の会」の第1回公演が6月18日、国立文楽劇場(大阪市中央区)で開かれた。長唄、清元などの三味線の伴奏に合わせ、「これぞ日本舞踊」といわれる古典舞踊の数々が上演され、大きな盛り上がりを見せた。
「要」は扇子の要をイメージして命名。「日本舞踊の元となる古典舞踊の普及、発展の力になりたい」という思いが込められており、同日の公演には家元や師範のベテランに交じって、與桂師匠が力を入れている「文化庁伝統文化親子教室」の小・中学生たちも出演し、盛んな拍手を浴びた。
舞台には今年90歳になる花柳與(あとう)師匠も元気な姿を見せ、「すべての芸の基本は心」と、情感たっぷりに長唄「影法師」を披露した。
真打ちは與桂師匠が務め、義太夫「万歳」を、語りの名調子に乗って奥深い演舞で熱演。「たくさんの人たちに喜んでいただき、第1回としては成功。今後も継続して『要の会』を発展させていきたい」と目を輝かせていた。