潮騒 2023.7.5

 旧知の大先輩が60歳の定年を迎えた。偶然にも、ちょうどその日に、夜の席をご一緒できた。「不思議な縁」とはよく言うが、いろいろと偶然が重なる日だった◆高校、大学時の同級生が営む飲み屋で知り合った大先輩。役職定年ですでに要職からは離れていたが、総務畑を長く歩んでこられた。「うちの会社はこんな感じで…」などと、記者が自社の取り組みと比較できるように貴重な意見を聞かせてくれたりもした◆この日出会えたのに布石がなかったわけではない。その前日、記者が半年ぶりにこの店を訪れようとしたところ、無情にもシャッターが下りていた。「休みかよ!」と恨み節をひと言、メールでつぶやいた。それを見て「さては翌日」と思ったのかもしれない◆そんなメールに誘われて、むかし常に顔をそろえたもう一人の仲間も数年ぶりに顔を見せた。集まったその場で、店主含め全員が「今日、定年」を告げられた。示し合わせたわけでもなく集った4人はやはり「不思議な縁」なのだろう◆あまりの偶然と久々に、夜も深々と更けるまでバカ話に終始した。定年を迎えた心境などをもっとちゃんと聞くべきだった。記者もその日まであと10年足らず。どんな心構えで迎えるべきか。次の機会に、ゆっくりと尋ねるとしよう。(岡)

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