上方落語家、月亭八方(75)と女婿で長唄、今藤政之祐(51)がプロデュースした公演「和のこころ 糸にのせて」の初の京都公演となる「京の三趣」がよしもと祇園花月で、上方浪曲界リーダーで浪曲親友協会会長の京山幸枝若(69)をゲストに開催。舞には祇園東の芸妓(げいこ)・富津愈が登場する豪華な顔ぶれに満員の場内が沸いた。
いずれも三味線を使った3種の大衆古典芸能で、京都を題材にした演目を選んだ。政之祐は牛若丸と弁慶を描いた「五條橋」、八方は伏見の酒屋次男坊と祇園芸妓の悲恋を描いた「大丸屋騒動」、最後に幸枝若が京の道場に弟子入りする剣術好き米屋主人のやりとりを描いた「米屋剣法」をそれぞれたっぷりと時間をかけて熱演。
終演後、八方は「久しぶりに汗をかきました。せりや袖など色々(いろいろ)な所からバタバタして登場し“普通に高座だけで終わる方がエエなぁ”と思いました。でも心地よろしゅうございます」と振り返った。政之祐は義父について「なんでもOK、好きにしたらエエと、おっしゃって下さる。臨機応変にまとめてくれる」と信頼。八方が“5年間弟子として浪曲を教わっている”という幸枝若は「お客さんの反応もよく楽しかった。またやりたい。でも京都が舞台やのに、私や八方師匠がやると何でか、皆大阪弁になりますねん」と苦笑した。