室内をスケルトンにしてフルリノベーションを施した部屋を内覧した。築深のマンションの一部屋が様変わりしていた。最も目を引いたのは、ベランダと部屋の間に設けられた“バルコニー”◆ダイニングの窓際の一部に段差と全開可能な間仕切りをつけて、部屋の中にありながらバルコニー風の空間に変身。観葉植物で庭風にしたり、椅子を置いてカフェタイムを楽しんだり◆玄関から土足のまま入る“土間”のようなスペースもあり、ありきたりではない間取りが面白い。ブルックリンスタイルの家具が人気のメーカーとコラボレーションした特注デスクなどが見事にマッチしていて、至極しゃれている◆大阪府住宅供給公社も古い物件をリノベーションし、現在の居住ニーズに合ったさまざまなプランを用意する。壁のペイントを入居者に自由にしてもらうなどして若年層を団地に呼び込んでいる◆国立国際美術館は現代美術作家が考える“ホーム”を展示している。住居に限らず、思い出や心を寄せる故郷等その捉え方はさまざま。わがホームについて思いを巡らすと、父母が暮らす実家よりも、現住居の方がピタリときたのは意外だった。新たな家族と紡いできた日々が、マイホームの基盤をつくっていくのだろう。(斎)