相性良し、東西林家7年連続競演 神戸・大阪で来月22、23日 たい平・菊丸二人会

 上方落語家で昨年の文化庁芸術祭・大衆芸能部門で大賞を受賞した林家菊丸(48)が毎年夏に恒例となっている江戸落語家で人気テレビ番組「笑点」メンバー・林家たい平(58)との落語会「第7回たい平・菊丸二人会~東西林家の華の競演~」(8月22日夜、兵庫・神戸新開地喜楽館、翌23日夜、大阪・天満天神繁昌亭)の概要説明を行った。

 同じ林家を名乗りながら、上方・林家は「源流は笑福亭」とされ過去にほとんど交流がなかった。菊丸が2014年に3代目を襲名した際に、江戸・林家の本家に当たる海老名家にあいさつに出向いたことで、交流が始まった。16年に菊丸が繁昌亭大賞を受賞、その受賞記念公演に芸歴では6年先輩と近い位置のたい平がゲスト出演。たい平が「次は二人会やろうか?」と持ちかけたことから、翌17年スタート。この間コロナ禍でも休まず、年1度のペースで開催し、最近は神戸・大阪と2夜連続で行っている。

 東京ではめったに二人会の形式で落語会を開かないたい平が大阪で毎年開催していることについて、菊丸は「東京の噺家(はなしか)さんは“関西の客はじっくり聞いてくれない”とか“大阪はすぐに笑いをほしがる”と大阪での高座を嫌がる方もいるが、たい平さんは大阪がすごく好き。サービス精神おう盛なところはむしろ僕より上方っぽい。僕の方が“粋で丁寧にやろう”と江戸落語に近いのかも」と2人の相性の良さを説明。「たい平さんは大阪で泊まる夜はメチャメチャ飲むんです。大阪の若い噺家を相手にガンガンと。そういう時、僕は“この二人会ずっと続けたいな”と思います」とたい平と大阪との親和性も紹介した。

 22日神戸では、中トリの菊丸が師匠・4代目林家染丸(73)の十八番(おはこ)「幸助餅(もち)」を演じれば、たい平が上方発祥ネタ「愛宕山」でトリを取る。23日大阪は、たい平が大ネタ「千両蜜柑(みかん)」で中トリ、菊丸が「鹿政談」でさらりとトリを務める趣向。両日とも互いにもう1席ずつ演目を決めずに高座に上がり、客席を見ながらネタを決める「お楽しみ」を演じるのも、この会の見どころの一つ。

 たい平の芸について、菊丸は「お楽しみの演目を決めるのに、まくら(前振り)1分半ぐらいでピシッと客席の空気感をつかんでしまう。“重いか、ノリが良いか”だけでなく“普段どれぐらい落語と接しているか?”まで見抜いてしまう。すごい勘がいい。マネできないです」と、今年の手合わせが楽しみな様子。

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