由緒ある「蓮如松」復活 鵲森宮 新たな木を植樹

 通称“森之宮神社”として知られる大阪市中央区の鵲森宮(かささぎもりのみや)(石崎弘幸宮司)に、由緒ある「蓮如(れんにょ)松」の新たな木が植えられ、多くの参拝者が関心を寄せている。境内に空地を設け、他に玉垣の修繕に取り組んだ整備事業の一環として松を植樹した。

 社伝によると、もともと同神社の境内地は現在よりもはるかに広大で、浄土真宗の僧・蓮如が、現在の大阪城内と推定される場所に石山本願寺を築こうとした際、神社境内に植えられていた松の下で宗門の繁栄などを祈願したと伝わる。幕末の名所錦絵「浪花(なにわ)百景」では、浮世絵師・中井芳滝(よしたき)により「森の宮蓮如松」として当時の境内の景色が美しく描かれている。

 蓮如松は明治中期の水害が原因で枯れてしまったが、以後も新たな木を「蓮如松」として代々植樹。石崎宮司によると、神社に面した玉造筋の拡幅などに伴う移植などで短命の松もあったという。

 今回の松は鳥居の南側にあり、可能な限り錦絵の枝ぶりに近いものが選ばれた。境内には蓮如松の由来や錦絵の解説もあり、石崎宮司は「お参りされた皆さんに神社や蓮如松の歴史を知っていただければ」と話した。

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