「くらよし民間救急ぬのこ」(倉吉市福本、上野泰葉代表)が、鳥取県中部では初の民間救急患者等搬送事業者に認定され、活動を開始した。看護師が同乗するため、持続点滴中や在宅人工呼吸器を使用中でも対応できるのが特徴だ。
同事業は緊急性の低い患者を搬送するサービス。軽症者の搬送を担い、消防救急の負担を減らすことで救急車の適切利用につなげる。自治体消防局の認定が必要で、中部ふるさと広域連合消防局が認定した。
上野代表は県中部で看護師として14年間勤務。高齢化により自身で病院へ行くことが難しく、救急車を呼ぶしかない患者がいる状況を改善しようと模索するうちに、都市部では一般的となっている民間救急事業にたどり着いた。高齢化が進む県中部にこそ需要があるはずと参入を決意し、クラウドファンディングで募った116万円の支援金も活用して6月に開業。7月から本格稼働した。
乗降用リフト装置を搭載したワンボックスの福祉専用車に、ストレッチャーや車いす、自動体外式除細動器(AED)などを常備。喀痰(かくたん)吸引器や酸素ボンベも使用できる。軽症だが自家用車やタクシーでの移動が難しい場合や病院間の転院、受診の送迎などさまざまな用途で利用が可能。
上野代表は「困りごとがあれば『ぬのこを呼ぼう』と言ってもらえるような地域の頼れる存在を目指す」と意気込んだ。利用には予約が必要で電話、LINE(ライン)、インスタグラムから相談できる。ホームページも開設予定。