大阪・大東市で9歳の娘に食事を与えず入院させ、共済金をだまし取った疑いで34歳の女性が逮捕された。娘は5年間で40回以上も入院しており、容疑者の女性が受け取った共済金などは約570万円に上るという。
容疑者は1人で子どもを育てていた。「娘はいつもガリガリにやせていた」「娘の入院直後に交際相手や友人を旅行や岩盤浴に誘った」などの情報もある。娘は極端なカロリー不足による低血糖症に陥っており、一歩、間違えば命を落としかねない状況だったと考えられる。どう考えても許されないことはたしかだ。
一方で、シングルマザーの家庭に対し、十分な支援の手が届いているか、という点も気になる。「母親は何より子育てを優先するのが当然」との価値観がまだ根強く残る日本では、たとえ夫がいなくても子育ての全責任を背負わされ、孤独のうちにあえいでいる女性がたくさんいる。私が働いている小さな町は人と人との助け合いが強いところだが、それでも実家が離れているシングルマザーたちは疲れと不安が大きくなりがちで、常に保健師たちが訪問をするなどして手厚くケアしている。都市部に住んでいた容疑者は、おそらくそういった行政のケアも自ら望まなけ...