西日本の学生相撲団体1部6校による7人制団体戦と個人トーナメント戦を行う「第83回西日本選抜学生相撲大会」が堺市営大浜公園相撲場で開かれた。53選手が参加。近大が主将の三田大生3段(4年・黒羽高)の活躍で、団体は3年連続43度目優勝。個人は三田3段が2年ぶり2度目の優勝を飾った。
団体戦は、秋のインカレをAクラスで戦う近大が当初は1軍半の陣容で戦い、途中から5人制でのレギュラーの三田3段と北野泰聖3段(4年・熊本農高)を投入する展開。近大は終始危なげなく勝ち進み、金沢は初戦の関西大に辛勝5戦全勝で快勝した。
阿部智志監督は「2年の齋藤貴仁3段(秋田北鷹高)と瀧本哲治3段(専大松戸高)を団体戦で最初から使ってみたが相撲内容もよかった。二人は個人戦でも齋藤が8強、瀧本が4位と気を吐いて、十分使えるメドが立った」と期待を込めた。
個人戦は、交代や予備登録も含めた一発勝負勝ち抜き戦。8強は半数を近大が占め、残りは金沢学院大3人と愛知学院大の顔ぶれ。
まず3位決定戦は、体の大きい近大勢同士。上級生の本庄優介3段(4年・近大付高)が「止まっては不利」とばかりに一気に出て瀧本を寄り倒し。「学生最後の年の地元でのインカレ。もっと頑張らないと」と手応え。決勝はスピード相撲の三田と、1年ながら相撲巧者の金沢・篠侑磨2段の顔合わせ。三田は迷わず飛び込んで素早く左差し右上手。この日の三田は3回戦で“事実上の決勝戦”と目された金沢主将で西日本王者の池田俊3段との対戦でも鋭く出て、池田が残すところを右上手から投げ捨てている。結局、篠は何もできず一気に正面土俵へ寄り切られた。
三田3段は「コロナが一段落して、稽古場で皆が声出しして動けるようになり活気が出てきました。夏合宿でしっかり底上げして、インカレ団体優勝の目標を皆で目指します」と自信の笑みを浮かべた。