米国人もはまる「甲子園」の魅力 日本文化ブームの中でさらに発展させたい

  •  茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
  •  第104回全国高校野球選手権大会で優勝を喜ぶ仙台育英ナイン=2022年8月、甲子園球場
  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)

 夏と言えば「甲子園」だが、高校野球は外国から来た方から見ても魅力的なようだ。アメリカ出身のある知人は、毎年高校野球を見るのが楽しみなのだという。「全力疾走」や、「ヘッドスライディング」などのプレーがたまらないと言う。

 「でも、そういうのは根性論に見えませんか?」と聞くと、「確かにそうかもしれないけど、そこに日本の魅力があると思う」と彼は言うのである。

 今、高校野球は各地で予選が行われている。すでに代表が決まった都道府県も、これからクライマックスを迎えるところもある。もう少ししたら、全代表が出そろうだろう。いよいよ、甲子園に熱い夏がやってくる。

 言うまでもなく、ベースボールはアメリカ発祥のスポーツ。一方、日本の野球は同じ競技とは言え、文化的には独自の「進化」を遂げている。プロ野球も高校野球も、観客が鳴り物入りで応援したり、さまざまな細かいプレーや戦術が追求されたり、何よりも「野球道」とでも言うべき精神性を大事にするところがアメリカとは違うようだ。

 日本で発達した野球の文化を煮詰めたような、「甲子園」の伝統。その生真面目で真剣な精神文化を、「ガラパゴス」だとか、「時代遅れ」などと言って批...

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