【心へのフォーカス#8】原点の地で柔らかな表情 釜石の海岸に立つ布袋寅泰 ハービー・山口

  •  釜石の海岸に立つ布袋寅泰(写真集「Glorious Days」より)
  • ハービー・山口さん(撮影・山口大輝)

 被写体の「明日の幸せ」をそっと願って撮り続け、半世紀を超えた写真家のハービー・山口さんが、著名人を活写したカットを紹介。撮影秘話や心の交流を振り返る連載の第8回。

   ×   × 

 バンド「BOOWY」のギタリストとして日本のロックシーンをけん引し、現在はソロで活躍する布袋寅泰。30年以上の交流がある中で、幾つもの得がたい経験をさせてもらった。

 写真は2022年、岩手・釜石の海岸で撮影したものだ。芸術の力で東日本大震災からの復興支援に取り組んできたチームスマイルの活動で、布袋はライブを開催。公演前に撮影を提案すると、柔らかな表情を見せた。

 布袋は少年時代、夏休みに釜石の親戚宅を訪ねていたという。そこで聞いたビートルズに衝撃を受け、音楽と出合う。大切な原点の地に一緒に立つことができ、うれしかった。

 最も忘れられないのは、1988年にリリースした初のソロアルバム「GUITARHYTHM」の8曲に、歌詞を書かせてもらったこと。デモテープを聞き、20歳のころの淡い恋をつづったのが「GLORIOUS DAYS」だ。

 写真家になる夢を追いロンドンへ旅立ち、彼女とは約10年間離れ離れになり、連絡は...

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