原発の危険性指摘 「私が大飯原発を止めた理由」 元福井地裁裁判長が講演

 関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の運転差し止め訴訟で再稼働を認めない判決を言い渡した元福井地裁裁判長の樋口英明さんの講演会「私が大飯原発を止めた理由」が、米子食品会館(米子市旗ケ崎)で開かれた。樋口さんは「原発が事故を起こした際に発生する放射能の弊害は確実で急速で致命的だ」と原発事故の危険性を訴えた。

 樋口さんは「原発は原子力規制委員会によってしっかり管理されている」「再稼働するということは以前より安全だろう」「原発問題は難しい」などの先入観が最も危険だと主張した。

 2号機の再稼働を来年に見通す中国電力島根原発(松江市鹿島町)については、地震が起きやすい海域活断層がすぐ近くにあり、耐震性に不安があると指摘。東京電力福島第1原発事故に関し、「避難者は15万人だったが、不運が重なれば4千万人規模の被害になっていてもおかしくなかった」と持論を展開した。

 講演を聞いた伯耆町の60代男性は「原発は自国に向けた核兵器という言葉が印象に残った。安全性が保障されていないのに原発を稼働し続けるのはいかがなものかと思う」と話した。

 樋口さんは2014年、福島第1原発事故後では初めて、原発の再稼働を認めない判決を出した。

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