東京・池袋で開かれている「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」で、石原裕次郎が主演した映画「零戦黒雲一家」(1962年)が上映され、石原や二谷英明と共演した浜田光夫がトークショーに登壇した。
戦況が傾きつつある43年、ソロモン諸島にある小さな島の守備隊の物語。赴任する新たな隊長が石原演じる谷村中尉だ。「ならず者ばかり集めた部隊に裕次郎さんが来て、個性的な人たちを教育し直す映画」と言う浜田は、新兵のパイロットを演じた。
撮影の様子を「種子島に滑走路を造って、みんなで合宿してロケーションした。裕次郎さんあっての一家。格好良かったですよ」と明かし、「裕次郎さんに憧れて日活に入ったから(共演が)うれしくてしょうがなかった」と振り返った。
戦場が舞台だが、「ギャグ協力 永六輔」のクレジットもある娯楽作。浜田は「終戦から間がないから、娯楽映画であってもエンディングで(二谷さんと裕次郎さんが)『(生まれ変わったら)戦争のない世界で会おう』って言う。非常に懐かしい」としみじみ語った。