ガス灯や丸形ポスト―。懐かしい景色を求め、東京・多摩地区の小平市を訪ねた。(共同通信=松本泰樹)
西武新宿線を小平駅で降り、南へ3分ほど歩くと、小平市民文化会館(ルネこだいら)の前に、「日本一丸ポスト」が立っている。高さは2・8メートル。角形ポストが主流になる中、丸形ポストの数が都内の自治体で一番多いことを記念し、2009年に設置されたという。便利な場所柄か、郵便物を投函する人が次々にやって来る。
駅の北西に広がる小平霊園には、詩人・野口雨情、童話作家・小川未明、作家・伊藤整ら有名人が多数眠る。広さは約65ヘクタール。小平市の他、東久留米市と東村山市にまたがる。緑の多い広大な敷地は、散歩を楽しむ人にも人気だ。
次に向かったのは、霊園の東方にある「ガスミュージアム」。明治末に建てられた東京ガスの本郷出張所と千住工場計量器室を移設復元し、館内で都市ガス事業の歴史やガスと暮らしの関わりを紹介している。れんが建築を囲む庭ではガス灯が多数ともされている。国内外で使われていた灯柱が移築されたり復元されたりした。柔らかな明かりに心が休まった。
駅へ帰る道は、線路南側の「小平グリーンロード」を選んだ...