子どもも「エンヤ!」 4夜連続で「月の輪神事」

 安来市の夏を彩る「やすぎ月の輪まつり」の伝統行事「月の輪神事」が14~17日の4夜にわたって中心市街地で行われ、悪疫退散などを願って山車がにぎやかに繰り出した。

 神事は、語臣猪麻呂(かたりのおみいまろ)の娘がサメに襲われたという出雲国風土記の記述が起源。慰霊のため4日間踊り続けたという。「月の輪」の名は、やりで突き刺したサメが三日月の形に似ることに由来する。疫病の流行をきっかけに、何があっても神事を続けることで願を掛けたと伝わる。

 神事では新町、西御幸、大市場、八幡町の4自治会が、三日月形の灯ろうなどを飾り立てた4台の山車を繰り出した。「みんな出てきて手伝えや」の意味の「エンヤ、エンヤ、デゴデットーヤ」のかけ声と共に、笛や太鼓のリズミカルな祭りばやしが通りに響いた。コロナ禍で参加を見送っていた小学生以下の子どもも4年ぶりに山車の引き手に加わり、活気に包まれた。

 奉賛会の今田茂治会長(68)は「子どもたちの声が戻り、うれしい。市の継承すべき文化として、一層のにぎやかさを取り戻したい」と語った。

 台風7号の影響で14日に予定されていた同まつりの花火大会とステージイベントは中止となった。

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