表情の変化に驚き 「一画二驚」が鑑賞者を魅了 旅する光の切り絵展

 境港市の夢みなとタワーで開催中の「旅する光の切り絵展」(新日本海新聞社主催、鳥取県観光事業団共催、フーズマーケットホック特別協賛)は、1枚の切り絵が光の当て方の違いで二つの表情に変化する「一画二驚」が鑑賞者を引き付けている。

 作家の酒井敦美さんが19年前に生み出した独自の手法。薄く白い和紙を切り抜いて着色した絵の裏側に切り絵を貼り合わせ、裏から光を当てると切り絵が透けて浮かんで絵が変化したように見える。

 会場には、酒井さんが感じたことや大切なことを日記のように描いた13点を展示。縁側で母親とくつろぐ様子を題材にした「変わらないもの」は順光で幼い頃の自身を描き、逆光で浮かび上がる50年後は母親が老いて風景も一変しているが、変わることのない母娘の絆をにじませている。

 「はるの羽根」は背中を向けた少女が、花を咲かせた木を背に力強く前を向く姿に変化する大作。鑑賞者に希望を感じさせ、勇気を与えている。

 境港市に帰省中で子ども2人を連れて訪れた愛知県豊田市のイラストレーター、岩佐沙樹さん(35)は「作品の表情が変わってびっくりした。4枚組みの作品はストーリーがあって引き込まれた」と話した。

 同展は他に、酒井さんが鳥取県内を取材して制作した「地球スケッチ」、動く光の切り絵と音楽で物語を表現した「うごく絵本」などを展示している。27日まで。

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