今年の倉吉打吹まつりで復活した大綱引き「じんしょ」の大綱が、倉吉市役所第2庁舎前に展示されている。大蛇のような威容を前に、来庁者らが市の伝統文化に思いをはせている。
倉吉の「じんしょ」は、江戸~大正期に隆盛を極めた2本の大綱を引き合う伝統行事。1961年に倉吉春まつりの関連行事として開催されたのを最後に途絶えていたが、市制70周年を記念して倉吉打吹まつりで62年ぶりに復活した。
展示されているのは、同まつりで使用された全長約40メートルの大綱のうち、綱を結合させる「ツボグチ」と呼ばれる部分を中心とした約4メートル。同市広瀬で採取されたフジカズラで編まれており、2本の綱をつなぐ「栓(せん)木」と呼ばれる木製の棒も結わえられている。
同まつり実行委は「倉吉じんしょ」を後世に伝えようと、解説板や祭りの様子を伝える新聞記事とともに設置。今月末ごろまで見学できる。実行委でじんしょを担当した市職員の金光智志さん(33)は「直接触ってもらうこともできる。大綱を通じて、倉吉の文化を感じ取ってほしい」と話した。