朝ドラで脇役を務め、現在主役級として活躍する俳優の軌跡や魅力を、放送作家の山田美保子さんがつづります(6回続きの3)。
山田さんのさらに詳しいトーク音声をYouTubeやポッドキャストで聴けます。記事末尾をご覧ください。
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地道に脇役を演じ続けてきた俳優にスポットライトが当たり一瞬にして名前と顔が全国区となり、その後スター街道を歩むのを確認するのも朝ドラ(NHK連続テレビ小説)の醍醐味。風間俊介が「純と愛」で夏菜の相手役に選ばれたのは代表的なパターンと言えよう。
「前科30犯ぐらいまでは自分でも数えていたのですが」と本人も苦笑するほど多かった犯人役。中でも救いようのない凶悪犯を演じたのは、坂元裕二の脚本家としての分岐点にもなったと言われている「それでも、生きてゆく」(フジテレビ系)だった。
同作での風間の演技力に注目した多くの業界人の中に「純と愛」の脚本家、遊川和彦もいた。「演技派」と言われながら「くせ者」「異端児」とも言われてきた風間は自分でもあえてメインストリートから外れるような仕事を好んできたように思う。バラエティー番組での達者なしゃべりが認められ、後輩たちのステ...