タイ視察-その1 スラム街の中の図書室

  •  尾木直樹
  •  バンコク最大のスラム街「クロントイ・スラム」を訪れた尾木ママ(写真提供:JICA)
  •  「シーカー・アジア財団」の事務所には、スラム街の子どもたちが集うコミュニティー図書室がある(写真提供:JICA)
  •  「シーカー・アジア財団」が運営する移動図書館(写真提供:JICA)
  •  スラム街の子どもたちと尾木ママの記念写真(写真提供:JICA)

 この8月に、国際協力機構(JICA)が中高生を対象に実施しているエッセーコンテストで最優秀賞、優秀賞に選ばれた生徒・学生たちの海外研修ツアーに帯同する機会を得ました。視察先は、タイ。これまで私が教育視察に訪れた北欧諸国やオランダをはじめ、アメリカ、カナダ、シンガポール、香港、韓国などはいずれも先進国でした。一方、今回の視察先のタイは、2011年に発展途上国から「中進国」に格上げになった国です。まだこれから発展する国の一つであるタイから学べることは何か―。それを知ることが今回のタイ視察の大きな目的でした。

 一方で、エッセーコンテストの中学生の部の審査委員長を7年務めてきた私へのJICAからの要望は、「この研修を通して国際協力について子どもたちが理解を深め、成長する姿を見てほしい」というものでした。海外への研修や、現地の子どもたち、人々との交流の中で、子どもたちはどのような変化や成長を見せるのだろうかー。ワクワク感を胸に、私は羽田を出立しました。(タイ視察のリポートは全2回を予定)

 ▽王室への信頼は絶大

 タイのスワンナプーム空港に降り立ち、首都バンコクのホテルに向かう車中からまず目に飛び...

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