人工知能と付き合い脳力を磨こう 藤井七冠ら将棋の棋士をお手本に

  •  茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
  •  将棋の第71期王座戦を前に、記者会見する藤井聡太七冠=8月30日午後、神奈川県秦野市
  •  チャットGPTのロゴ=5月(ロイター=共同)
  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)

 人工知能が発達すると、いろいろな役割を果たしてくれるようになる。その際、人間の脳には、任せてサボってしまうか、あるいはさらに鍛えるかの二つの道がある。

 人工知能を、いわばパーソナルトレーナーとして活用して脳を鍛えている代表格が、将棋の棋士たちだと言えるだろう。とりわけ、今前人未到の「八冠」に挑戦している藤井聡太七冠は、人工知能を相手に、常人では考えられないくらい脳の将棋回路を鍛えている。自作のPCをつくったり、ソフトを工夫したりして、人工知能を生かした研究に余念がない。

 八冠に向けての永瀬拓矢王座とのタイトル戦は、永瀬王座が先勝した。かつて羽生善治・日本将棋連盟会長が達成した「七冠」以来の将棋界の大ニュースから、当分目が離せない。そして、勝負の分かれ道は、案外、人工知能との付き合い方で決まるかもしれない。

 人工知能が発達した時に、人間の脳はサボろうと思えばいくらでも怠けられる。将棋で言えば、強いソフトの言う通り指していれば、自分では考えなくても勝てる。

 チャットGPTのような文章を生み出す人工知能も同じである。学校の宿題をチャットGPTにやらせれば、自分は何も知らなくてもごまかせる。...

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