朝ドラで脇役を務め、現在主役級として活躍する俳優の軌跡や魅力を、放送作家の山田美保子さんがつづります(6回続きの4)。
山田さんのさらに詳しいトーク音声をYouTubeやポッドキャストで聴けます。記事末尾をご覧ください。
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「朝ドラはコンプレックスだった」とは2024年度前期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」の主演・伊藤沙莉の言葉だ。
欠かさずオーディションにトライしてきたわけではないと言うが、何度も悔しい思いをしてきたことから「夢で憧れ」になってしまったという。
朝ドラ出演は有村架純主演の「ひよっこ」が初。他作品出演のために金髪でオーディションに臨み、トレードマークのハスキーボイスでお嬢さま風のせりふを読んだ様子を面白がった脚本家の岡田恵和が「米子」なる役をつくってくれたという。
子役出身の伊藤は「シッコウ!!」(テレビ朝日系)でゴールデンタイムのドラマ初主演を決めた。支えにしてきたのは児童役で出演した「女王の教室」(日本テレビ系)で共演した天海祐希の言葉。「カメラが自分に向いていない時でも、お芝居をしている」「見ている人は必ずいる」などだ。
近年の伊藤の出演作を見ると...