JR北海道の「札沼線」(学園都市線)で、非電化ローカル線時代の記憶をたどりながら全駅で下車する旅

  •  昭和の面影を残す篠路駅と、札沼線の電化に合わせて登場した733系電車。この駅舎には、やはり国鉄時代の気動車の方が似合う
  •  真新しいロイズタウン駅と、横浜市の会社が実証実験中だった自動運転EVバス。これは色合いもぴったりの組み合わせ
  •  駅名は「とうべつ」に変わったが、44年前に寄贈された銘板はそのまま。「石狩」を冠した鉄道駅は、皮肉なことに、51年前まで札沼線の終着駅でもあった留萌本線の「石狩沼田」(沼田町)だけになった
  •  北海道医療大学駅の少し先で見つけた廃線跡。切断されたレールの断面が痛々しい
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 JR北海道の「札沼線」は、札幌(正式には一駅先の桑園)と北海道医療大学間を結ぶ通勤・通学路線だ。その名の通り、1935年には留萌本線の石狩沼田まで全通したが、72年には石狩沼田―新十津川間34・9キロ、2020年には新十津川―北海道医療大学間47・6キロが廃止された。“生き残った”28・9キロは2012年6月に電化されている。

 ちょうど40年前に故郷を離れた筆者の記憶にある札沼線は、キハ21やキハ40といった当時のありふれた気動車が走り、これといった撮影ポイントもなく、撮り鉄目線では魅力に乏しいローカル線だった。今の札沼線の路線図を見ると、短くなったと感じる以上に、知らない駅が多いことに驚いてしまう。なじみがあるのは札幌、桑園のほかは新琴似と篠路だけ。それ以外の11駅のうち、太美と当別は石狩太美、石狩当別が名称変更したものだと分かるが、残る9駅は「?」。大学名が付いた2駅に、チョコレートに関係がありそうな駅もある。

 新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、久しぶりに札幌に帰省した。その折に、「学園都市線」の愛称の方がしっくりくる現在の札沼線で、非電化ローカル線時代の記憶をたどりながら...

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