噺家の寄り合い~後編~

  •  柳亭小痴楽

 先週は、われわれ落語芸術協会による夏季研修会、通称・夏の寄り合いについて書かせてもらった。そして今週は、先週に引き続きのエッセーとなります。4年ぶりの寄り合い、その様子を皆さんに報告させていただきます!

 朝、そろいの芸術協会の浴衣を着た芸人が、東京・浅草は本法寺に集まった。「はなし塚」にて禁演落語として葬られた古典落語への法要を済ませ、浅草ビューホテルへと一行は向かった。参加してくれた関係者の方々も集まり、会長である春風亭昇太師匠が壇上へ。

 「ご列席くださいました関係者の皆さん、本日はどうぞお楽しみください! そして!協会員の皆さん、いいですか? 夏季研修会です! もう一度言います!研修会です! 節度を持った研修を行ってください!」という会長による陽気なあいさつとともに正午、めでたく開宴! 研修会は、特に滞りなく進んでいったのだが、久しぶりの寄り合いで特別楽しかったのが、前座さんによる余興の時間だった。

 先週も書いたが、この余興の時間が前座には、とても大事な時間なのである。ここで頂くご祝儀の多寡によって、その日の遊び方が決まってくるのだ…なんて偉そうなことを言っているが、私は前座時代...

残り 1580 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事