東京都調布市には、長く信仰を集めてきた深大寺がある。寺によると、都内では浅草寺(台東区)に次いで古く、733年に開山したと伝わる。縁結びや厄よけの御利益で知られ、参拝者や観光客でにぎわう寺を訪ねた。(共同通信=鈴木賢)
JR吉祥寺駅から深大寺行きのバスに乗り市街地を抜けると、木々の鮮やかな緑が目立ち始め、心が安らいでくる。約30分で到着。そば屋や茶屋が立ち並ぶ参道を歩くと、かやぶきの趣深い山門が迎えてくれた。境内に入ると立派な本堂が現れる。江戸末期の大火で焼失し、大正時代に再建されたという。
寺務所で薦められた参道に入ると、樹木の枝が頭上を幾重にも覆い、さながら緑のトンネルのよう。ここにある延命観音は秋田・象潟から寺に移され安置されている。木漏れ日の下、深呼吸して手を合わせた。
深大寺の北側には、神代植物公園が広がる。職員の土方千鶴さんが「敷地面積は約50万平方メートル、東京ドーム約10個分です。もともと東京の街路樹などを育てる場所でしたが、戦後、植物公園として整備されました」と教えてくれた。
約4800種類、約10万本・株の植物が植えられた公園を散策するだけでも楽しいが、色とりどり...