見える関東軍の思惑 祐生出会いの館 満州国ポスター展

 南部町出身の孔版画家で収集家、板祐生のコレクションを展示する祐生出会いの館(同町下中谷)で「満州国ポスター展」が開かれている。ポスター56点とおもちゃ16点が展示され、当時の関東軍の思惑や人々の暮らしを伝えている。15日まで。

 祐生が残した満州関連資料のほとんどは、満州に出征した兵士や、現地に渡った仲間から送られてきたもの。関東軍が「建国」を宣言した1932年から、帝政が始まった34年までのポスターを中心に展示している。

 日本人や朝鮮人らが肩を組み「五族協和」を表したポスターや、「楽土の建設へ」のメッセージとともに満州と日本の国旗を掲げる親子を描いたポスターもあり、関東軍が民間組織を通して建国イデオロギーを民衆へと浸透させようとしていたことがうかがえる。

 中尾慶治郎副館長は「これらのポスターから、かつての時代を振り返ってもらい、少しでも何か感じることがあれば」と話した。

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