高齢者数がピークを迎える2040年問題が迫る中、高齢者を支える介護分野でも人手の確保が喫緊の課題となっている。生産年齢人口が減っている鳥取県内では全業界で人材の取り合いになっており、介護現場からはイメージアップを求める声も上がる。近年はAI技術の導入などによって、現場の介護福祉士からは「昔とは環境が随分と変わった」との声も上がる。
介護労働安定センター(東京都)が全国8708事業所と、労働者1万9890人の回答を基にした22年度介護労働実態調査(8月21日発表)では、事業所の7割近くが人手不足感があると回答。労働者の「労働条件・仕事」の悩みも「人手が足りない」との回答が5割超と、2位の「仕事内容のわりに賃金が低い」を大きく上回った。
人手が足りない要因について、同センターの担当者は、介護現場に対して「きつい」といったイメージが根強く「人材の取り合いになる中、このイメージがハンディになっている」と分析する。
人手不足感は県内でも同じだ。県社会福祉協議会が22年度に実施した介護職員実態調査では有効回答の676事業所のうち半数以上で人手が「不足している」と回答した。介護人材対策で自治体に求める取り組みで最も多かったのが「介護の仕事に対するイメージアップ・理解促進事業」で6割を超えた。