「男性ばかり54人」と聞いたら何を連想するだろうか。大学ラグビー部の合宿か、はたまた男子校の同窓会か。いずれにしても、「男性限定」という制約のある集まりだと考えるはずだ。
ところが、これは第2次岸田再改造内閣の副大臣と政務官だというのだから驚く。もちろん「男性限定」であるはずもないのに、人事のふたを開ければ54人全員が男性だったのだ。このことを会見で問われた鈴木俊一財務相は、「適材適所でやった結果、女性がいなかったということだと思う」と答えたようだが、女性に対する評価の低さが露呈する言葉ではないか。
世界で大ヒットしたハリウッド映画『バービー』には、バービーを製造しているマテル社が実名で登場する。人間の世界に現れたバービーが同社の取締役会議に足を踏み入れると、そこにいたのはなんと11人全員が男性。実際には、マテル社の現在の取締役会は「男性6名、女性5名」の構成だそうだが、リアルワールドが男性中心社会であることを描くために、映画ではあえてこの設定にしたという。「女性の偉い人は?」というバービーの問いにあわてた重役たちが、「かつてはふたりもいた」「女性は大好きだ」などとあわてふためく姿が...