岸田首相の経済対策、年明け以降の物価髙対応に注目

  •  永浜利広(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

 先週、岸田文雄首相は経済対策の柱を示し、閣僚に取りまとめを指示しました。そして、経済対策の主な構成は(1)物価高対応(2)賃上げ継続(3)投資拡大の流れ強化(4)人口減少を乗り越える社会変革(5)国民の安心・安全、の5本柱となりました。

 中でも注目されるのは、(1)の物価高対応が年明け以降も延長もしくは拡充されるかでしょう。というのも、既に打ち出されている物価高対策の延長期間が年末までとなっているからです。足元の輸入化石燃料価格に基づけば、年明け以降は、かなり電気・ガス料金が値上がりすると予想されます。そこで物価高対策が切れると、ダブルでエネルギー負担が増すことになってしまいます。

 また、(3)の投資拡大の流れ強化にも注目です。岸田政権は5月にGX(グリーントランスフォーメーション)推進法が成立したグリーン関連分野の促進に加え、デジタル化や人工知能(AI)等を活用した生産性向上を大胆に支援し、半導体などの開発も進める意向を打ち出しています。このため、特にデジタル分野においてどのような支援策が組み込まれるかにも注意が必要でしょう。

 なお、このタイミングで経済対策が打ち出される背景として...

残り 590 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事