家屋倒壊やライフラインの損壊など甚大な被害をもたらした鳥取県西部地震の発生から6日で23年となる。年月の経過とともに災害の記憶が薄れる中、風化を防ぎ、教訓を継承することが課題だ。震度6強を記録した境港市では、小中学生に当時の様子を伝えたり、家族で防災について話し合うよう促したりする取り組みが始まっている。
「大きな揺れで立っておれず、食器棚から皿が飛び出した」。境港二中(同市竹内町)で3年生を対象に3日開かれた防災教室で、防災士の木村幹夫さん(73)が約100人の生徒に語りかけた。
境港市では西部地震で1500棟を超える住宅が被災し、港湾施設が液状化現象で損壊するなどの被害を受けた。しかし発生から20年以上がたち、当時を知らない世代が増えている。木村さんは「大きな地震があったことを語り継がねば」と、中浜地区各種団体連絡協議会が小中学生を対象に4年前から開く防災教室の講師を務める際、必ず西部地震を取り上げる。