ジャニーズ会見のNGリスト 国民の「知る権利」を忘れるな

  •  香山リカ

 ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏の性加害をめぐる問題の終わりが見えない。経営陣の交代や社名変更が発表されたのだが、今月2日の記者会見で特定の記者らを指名しないようにする「NGリスト」が存在していたことがわかったのだ。このリストは会見の運営を任せていた外資系コンサルティング会社が作ったもので、ジャニーズ事務所は関与を否定しているが、これを基に司会役が質問者を選別していた疑いは払拭されていない。

 一般的に、不祥事を起こした企業の記者会見では、「本日の会見は1時間で終了です」などと時間を区切らないこと、質問があれば最後まで誠意をもって答えることが基本とされている。不祥事でなくとも、大きな社会的責任を持った総理や大臣の会見でも同様だろう。

 しかし昨今、「このあとの公務がありますので」とまだ質問の手が挙がっているのに会見を終了させる政治家が多い。総理の会見でも、記者クラブ「内閣記者会」に属していても指名される頻度は社ごとに差があるともいわれている。国民の中にも、権力を持った側が記者会見を開く場合、「時間を区切ったり指名を恣意(しい)的にしたりと主導権を握るのは当然だ」という空気が醸成されて...

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